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サークル参加する条件

こんにちは。無駄に多忙感のあるLazy8です。

なんとなく「同人誌イベントのサークル参加数が維持・拡大するにはどういう条件が必要なのか」ということを昨夜風呂に入りながら考えました。かなり雑なんですが、ここはわたしのチラシの裏でもあるので、メモ的に書いておきます。

そんなことより新刊が……という感じなんですが、ガンプラ作ってないでがんばろうと思います。

まず、サークルはおおむね合理的に行動するとしよう。イベント全体で、同人誌の平均単価をp、平均販売冊数をn、イベントにサークル参加することで得られる満足感を貨幣価値に換算したものの平均値をe、イベントに参加するために必要な費用をcとすると、サークル参加数を維持・拡大するには、

pn+e≧c

が成り立つ必要があるのではないか、と仮定しよう。

cはサークル参加するために必要なコストで、サークル参加費とか交通費、印刷代(本1冊当たりの平均原価×n)など。

eは例えば、ある人が「イベント出るくらいなら映画見に行ったほうがいいよな」と思うのなら映画料金の1500円よりeは低い、「映画なんかいつでも見られる、イベントに参加しなきゃ」と思うのなら1500円よりeは高い、というような形で、イベントに対する満足感(効用)を代替物との比較により金額で表すようなもの。これは人によって違うので算出はとても難しい(サークルは合理的であるという仮定と齟齬があるかもしれない)

さて、pn≧cなら、サークルは儲かるか、損をしないのだから、次回もイベント参加を検討するはずだ。pn<cであっても、eがそれを補えるのであれば(e≧c-pn)、pn+e≧cが成り立つので、やはりサークルは次回もイベント参加を検討するはずだ。この結果、イベントはサークル参加数を維持できる。pn+e≧cは新規参入サークルに対しても成り立つから、サークル参加は増える。(たぶん、売り手の増加に買い手の数が追いつかずにpn+e=cになるまで、は増える)

逆に、pn<cであり(サークルが損をしている)かつ満足度がこれを補えない(e<c-pn)のなら、pn+e<cになるので、次回のイベントは不参加を検討するはずだ。pn≧cだけどeがこれを打ち消すくらいマイナス(運営にすごく文句があるとか怖い人が来たとか)でpn+e<cになった場合も次回のイベントは不参加を検討するはずだ。

pnは要するに本が売れるということ、eはいいイベントだよねというようなもの。なので、サークル参加が増えるには本が売れるか、サークルの満足度が高い、いいイベントであること(「すげー売れた」「売れたのはちょっとだったけど見てもらえた実感はあった」「ほかのサークルさんのいい本を買えた」「一般参加と交流できた」「刺激になった」などなど)──という条件が必要ということになる。

ではコミティアに当てはめよう。 コミティアはサークル参加数が増えているので、pn+e≧cが成り立っているはずだ。

ティアマガによると販売冊数の平均は40~50冊(中央値は20冊前後)とあるので、ここではn=45として、pは2月コミティアに出したわがサークルの本の平均単価を、cはサークル参加費用(5月で考えると郵送/オンライン、追加イス有無を考慮するとだいたい6300円くらい?)と交通費(基本都内近郊と仮定して1000円くらい)、わがサークルの本の平均原価(コピー本があるのでかなり低くなってる)×45冊の合計とすると、

400×45+e≧6300+1000+(184×45)

18000+e≧15580

ということになって、pn≧cが成り立った。実際にうちの売り上げがこの状況だったら、次回も参加すると思う。

中央値を20冊として計算すると、

400×20+e≧6300+1000+(184×20)

8000+e≧10980

pn<cだけど、eが2980円以上であれば次回もサークル参加を検討するということになる。もし中央値付近のサークル参加も増えているのであれば、コミティアにサークル参加することの価値はおおむね3000円以上はあるということになる(実感としては好きなバンドのライブ1回分くらい、かな)。

ただ、変数をどうとるかで数字が全然変わるので難しい。特に平均原価は印刷部数によって全然変わるし、コピー本主体かオフセット主体かどうかで単価・原価も変わってくる。試算は本を平均400円としたけど、コミティア全体だともっと低いんじゃないかと思う(300円くらい)。なので、このpn+e≧cの式は実際の数字というよりは、1つの考え方を表すというものかなと。

新潟の老舗同人誌イベント「ガタケット」が存続の危機に陥っていると運営会社が公表した。われわれは8年前に1度、なんとはなしにサークル参加したことがあって、女子校の学園祭に何かの間違いでまぎれ込んだような感じだった。本は6冊が引き取られ、ほぼ1種1冊だった。ぶっちゃけ売れなかったけど、会場(見た範囲)はそれなりに本は多かったという印象で、そこで本を買わせていただいたサークルさんはその後コミティアとか商業誌でも活躍されている(たぶん。サークル名が変わってるので、あえて未確認)。

ネットで拾ったガタケット参加サークル数の推移というグラフによると、1999年ごろを境にピークアウトしている。運営会社の説明では、特に2004年の新潟県中越地震で中越地方のサークルが参加を断念したケースが多かったとのこと。

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代表による追加説明が公開されているものの、なぜか批判に対する反論の体裁になっている。いろんなところでいろんな意見を読んで、なるほどいろんな考え方はあるんだろうなあと思うのだけれど、主催が企業であることを活かすのなら、サークルという顧客に対して提供できるメリット、つまりガタケットに参加するメリットを繰り返し説明し、それを将来にわたって拡大していくことを参加者にコミットし、着実に実行する、という常道を徹底していくというのも1つのやり方なんじゃないだろうか、と思った。「サークルに多大なメリットはあるがサークル参加数が減っている」という状態はあんまり考えにくいのではないかと。いや、全然事情を知らないので、従って野次馬なんですが。